日本人が持つ消化酵素、持たない消化酵素 きちんと理解して健康管理

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消化酵素は世界中の誰もが同じものを持っている訳ではない

消化酵素という言葉をよく聞きます。消化のために使われる酵素で、アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼといった名称を聞いたことがあるのではないでしょうか。実は、消化酵素は世界中の人々に共通なものではありません。中には日本人しか持っていないものや、ほとんど持っていない消化酵素があるのです。

海苔を消化できるのは日本人だけ?

最近の研究で、焼いていない海苔は日本人以外には消化できないことがわかりました。ゾベリア・ガラクタニボランという海洋性細菌(バクテリア)は海苔を分解する酵素を持っているのですが、このバクテリアは日本人しか持っておらす、さらにバクテロイデス・プレビウスという体内の微生物が同じ酵素を作る遺伝子を持っているそうです。これは人間の腸内に存在しているものですが、これは現時点では日本人の排泄物以外では発見されていません。

韓国にも海苔の文化はありますが、日本に比べるとその文化が根付いたのはかなり遅く、遺伝子にまで作用していないようです。さらに日本では昔焼かない海苔を食べる習慣がありましたが、日本以外で食べられている海苔はすべて焼き海苔だそうで、生海苔を食べる文化がなかった韓国人には消化ができないのです。でも、焼けば日本人以外でも消化できるように変化するのだとか。

乳製品を消化できない日本人

海苔と逆に、多くの日本人が消化できないのが牛乳などの乳製品。これらを分解する酵素を「ラクターゼ」といい、乳糖(ラクトース)という多糖類を単糖類に変える働きをします。単糖類に変わることで初めて消化されるのですが、このラクターゼ、なんと日本人の95%が活性していないか活性が不十分なのだそうです。乳糖を完全に分解できていないため、下痢までは行かずとも乳製品を摂ると便が緩くなる、といった症状が起こります。

これも遺伝子の問題で、穀類や豆類を主食としている民族・人種にはラクターゼの活性が弱いという傾向が見られます。欧米でも酪農を行なっていた地域以外の人々にはこの「乳糖不耐症」が多いそうですが、特に日本人を含むアジア人は乳糖不耐症の率が高いそうです。

日本人はアルコールも消化できない!?

「日本人はアルコール消化酵素を持っていない人が多い」というのを聞いたことはありませんか?これは事実で、アルコールが分解されて出来たアセトアルデヒドという毒性物質を分解するALDHという酵素の活性度が問題です。

低活性または非活性の日本人が約45%と言われ、日本人の約半数はお酒の毒素を完全に分解できないのです。これも遺伝的なものですから、一生涯変わることはありません。量を飲めるようになることはあっても、毒素分解レベルが上がることはないのです。

また、ALDHが低活性または非活性なのにだんだん量を飲めるようになったという場合、MEOSという他の酵素がALDHの代わりをしてくれているのです。MEOSは肝臓を守っている酵素の一つで、これをアセトアルデヒド分解のために使われてしまうと、肝臓病を引き起こす可能性が高くなると言われています。

消化酵素が不活性でも、起こる症状は違う

海苔や乳製品は、消化できない場合下痢という反応で体外に排出されます。ところがアルコール(アセトアルデヒド)の毒素は下痢で排泄されることはなく、体内に留まって体に悪さをします。

下痢にしてもひどくなれば脱水症状を起こし、子供や高齢者の場合命に関わってきます。ですから、自分の消化能力を知ることは大変重要です。そしてそれがわかったら、決して無理をしないことが、大げさでなくあなたの命を守ることに繋がるのです。

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